からし蓮根

 正月に備えて、今日は「からし蓮根」を作ります。あまりなじみのない方もいらっしゃるでしょうが、熊本では名物料理で、お土産としてもよく売られています。

 からし蓮根は、今から370年程前、禅僧玄宅和尚が、病弱であった肥後の藩主である 細川忠利の滋養強壮食として増血効果がある蓮根に着目し、蓮根の穴にからし味噌をつめ、そら豆粉と小麦粉の衣をつけ、油で揚げて供したのが始まりといわれています。 蓮根とからし味噌の程よい調和は、食欲を増進させます。もちろんお酒もすすみます。(特に焼酎がベスト)ちなみに細川忠利の母は、明智光秀の娘、細川ガラシャだそうです。忠利は享年55歳で亡くなりました。(そのころ、揚げ物があったんですね)

一日目                                 

 蓮根は、たわしで土を落とし、両端を切り落とし、皮をピーラーでむき、10分ほどゆでます。ざるなどに立てかけ、穴の水分を抜き、半日ほど冷まします。和がらしは、ぬるま湯で練ります。練るとき、目と鼻にツーンと来るのでご用心。麦味噌と砂糖、粉末だしの素(私は無添加昆布だし“5g”と言うのを使用、うまみ調味料でもOK)をまぜよく練ります。からし味噌を皿に取り、冷ました蓮根を、皿に盛ったからし味噌に押さえつけるようにして、穴に詰めていきます。このとき、蓮根の穴の大きい方から味噌をつめるように。全部の穴から味噌が出たらOKです。決して反対側から味噌を詰めないでください。はみ出た味噌をふき取り、トレーなどに新聞紙を敷き、全体を新聞紙でくるんで冷蔵庫で寝かせます。

二日目

 一晩寝かすことで、蓮根とからし味噌とがなじんできます。蓮根から出た水分で、からし味噌も程よくゆるくなっています。ペーパータオルではみ出たからし味噌をよくふき取り、小麦粉を薄くつけます。小麦粉を水で溶きます。天ぷらの時のようにサクッと混ぜるのではなく、粘りのある衣を作ります。後は油で揚げるだけ、蓮根は茹でているので、衣が固まればOKです。

食べかた

 5ミリくらいの輪切りにして食べます。からしが利きすぎている場合は、切ってしばらくして食べると良いでしょう。また、醤油やマヨネーズ醤油をつけて食べてもおいしいです。冷蔵庫で、3~4日くらい日持ちがします。まわりの衣を市販のからし蓮根の様に黄色く仕上げたいときは、クチナシ黄色素を衣に混ぜると良いでしょう。 2007年12月13日掲載

 蓮根を茹でる時は、少しのだしと塩を入れて、時間は5~6分にすると、蓮根がシャキシャキとしておいしいです。2022年12月31日